この記事の結論
AIの出力の質は「日本語力」でも「プロンプトの工夫」でもなく、「何を渡すか」で決まります。どれだけ優秀なコンサルタントでも、背景情報ゼロでいきなり相談されたら的外れな助言しかできないのと同じです。コンテキスト(背景情報)とナレッジ(知識)をAIに与える5つの実践方法を紹介します。
「なんかイマイチ」の正体
ChatGPTもClaudeも触ってみた。でも「なんかイマイチ」「思ったような答えが返ってこない」。そう感じている方、多いはずです。
ちなみにClaudeは日本語がかなり得意なAIで、文脈をしっかり読みながら自然な日本語で答えてくれます。それでも「イマイチ」が起きる。ということは、原因はAIの言語力ではないんです。
AIの出力の質は、「日本語力」では決まりません。「何を渡すか」で決まります。
優秀なコンサルタントに、いきなり相談していませんか
たとえば、どれだけ優秀なコンサルタントでも、あなたの事業のことを何も知らない状態でいきなり「売上を上げたいんですけど」と相談されたら、一般論しか答えられません。的外れなアドバイスになるのは、コンサルタントが無能だからではなく、材料がないからです。
AIもまったく同じです。つまり、出力の質を上げるカギは「プロンプトの工夫」よりも、コンテキスト(背景情報)とナレッジ(知識)をどう与えるか、なんです。
僕はAI導入支援の現場で、この一点を変えるだけで出力が別物になる場面を何度も見てきました。プロンプトのテンプレートを100個集めるより、自分の事業情報を1セット渡すほうが効きます。
今日からできる5つの実践方法
1. プロジェクト機能を使って、毎回の会話にナレッジを持ち込む
ChatGPTやClaudeのプロジェクト機能に事業情報を登録しておけば、毎回ゼロから説明する必要がなくなります。ここが最初の一歩です。
2. 資料・実績・文章をファイルでアップして読ませる
サービス資料、お客さんの声、実績データ。AIは渡されたファイルを読んで、あなたの事業を理解した上で答えるようになります。どんな種類のファイルを入れるといいのかにもコツがありますが、まずは「自分の事業を新しく入った社員に説明するなら渡す資料」と考えれば大きく外れません。
3. 過去のメルマガやSNS投稿を分析させて、文体の癖をナレッジ化する
自分の書いた文章をAIに分析させると、文体や考え方の癖が言語化されます。それを保存しておけば、AIが「あなたらしい文章」を書けるようになります。僕のメルマガやこのコラムの制作でも、この仕組みが動いています。
4. 出力→修正→フィードバックのループを回す
AIの出力をそのまま使わず、修正した差分をまたAIに渡して「なぜ直したか」を伝える。これを繰り返すほど、AIはあなたの基準を学んで精度が上がっていきます。
5. Google DriveやNotebookLMなどの資料連携を使う
日々の資料が溜まっている場所とAIをつないでおけば、ナレッジの鮮度が保たれます。
この順番を守らないと、道具だけが増えていく
正直なところ、ここまでやっている人はほとんどいません。だから多くの人が「AIって、使えないな」で終わってしまう。もったいない話です。
逆にここまでやれば、チャットAIだけで「半自動」で良い出力が出せる状態になります。自動化ツール(Claude Codeなど)の出番はその次です。この順番を守らないと、どんなに高機能なツールを設定しても「何をやらせればいいかわからない」で放置になるだけです。
そもそも「何を渡すか」を言葉にするには、自分の業務の言語化が必要です。その話は「どのAIが一番すごいか」より先に見るべきもので詳しく書いています。全体の順番はAI活用入門をどうぞ。
よくある質問
プロンプトのテンプレートを集めても意味がないのですか?
無意味ではありませんが、効果は限定的です。他人のテンプレートにはあなたの事業の背景情報が入っていないからです。同じ文面でも、あなたの商品・お客さん・実績の情報を渡した上で使うのとでは、出力の質がまったく変わります。
AIに渡すファイルは何を入れればいいですか?
おすすめは①事業やサービスの説明資料②過去に書いた文章(メルマガ・SNS投稿・ブログ)③お客さんの声や実績データ、の3種類です。特に過去の文章は、あなたの文体と考え方をAIが学ぶ最良の教材になります。
毎回同じ説明をAIにするのが面倒です。良い方法はありますか?
ChatGPTやClaudeのプロジェクト機能を使ってください。事業情報や資料を一度登録しておけば、その中での会話には毎回自動で背景情報が引き継がれます。毎回の説明が不要になり、出力の質も安定します。