マーケティングファネルを階段に見立て、一段ごとにオファーをひとつだけ置いた設計を表したイラスト

この記事の結論

個別相談の申込率が上がらないとき、原因はオファーの魅力不足ではなく「同じ一段に、オファーを2つ置いていること」であることが少なくありません。マーケティングのファネルは階段です。一段上がってもらうために置くオファーは、必ずひとつ。個別相談への案内と、プレゼント付きのLINE登録を同じ場所に並べると、見込み客はプレゼントの方へ流れ、そのまま戻ってきません。この記事では、僕が直近の現場で立て続けに見つけた実例と、その直し方を書きます。

動画は見られている。なのに個別相談が入らない

先日のコンサルティングで、クライアントさんのファネルを一緒に見ていたときの話です。

「個別相談の申込率が、どうしても上がらないんです」

数字を見ると、広告は回っている。オプトインも取れている。プロモーション動画も、最後まで見てもらえている。それなのに、その次の個別相談だけが入らない。

こういうとき、多くの方は動画の内容やオファーの見せ方を疑います。もっと実績を足そうか、限定性を強めようか、と。気持ちはすごく分かります。でも今回、原因は動画でもオファーの中身でもありませんでした。画面を見て、10秒で分かりました。

個別相談を案内しているのと同じ場所に、もうひとつ別のオファーが置かれていたんです。

ファネルは階段。次の段はいつもひとつ

マーケティングって、結局のところ階段だと思っています。

見込み客に入り口から入ってきてもらって、成約まで一段ずつ上がってもらう。その一段ごとの登り口に、オファーをひとつ置く。そのオファーを受けてもらえたら、次の段に上がってもらえる。この繰り返しです。

広告からオプトインページへ。オプトインしてくれた人に動画を見てもらう。動画を見てくれた人に個別相談を案内する。個別相談で商品を提案する。ひとつずつ段を上がってもらうから、最後の提案が自然に受け取ってもらえる状態になります。

ここで大事なのは、次の段はいつもひとつだということ。当たり前に聞こえますよね。でも、これが意外とできていません。

1ステップ1オファーの設計と、2つ並べたときの分岐 上段は登録・動画・個別相談・成約の各段にオファーがひとつずつ置かれた正しい階段。下段は動画の段に個別相談とLINE登録プレゼントの2つが並び、見込み客がプレゼント側へ流れて本命の導線が途切れる様子を示した図。 正しい設計 登録 動画 個別相談 成約 一段の登り口に、オファーはひとつだけ よくある失敗 動画 個別相談へ LINE登録でプレゼント 選ばれない こちらへ流れる そして戻らない
図: 同じ段に2つ置くと、見込み客は強い方へ流れ、本命の導線が途切れる

立て続けに見つけた、まったく同じ失敗

直近で、別々のクライアントさんのファネルで、まったく同じ構造を2件続けて見つけました。業種も商品も違うのに、詰まっている場所が同じだったんです。

どちらも、こういう流れでした。プロモーション動画を見てもらった。次に進んでほしいのは個別相談。だから、その場所で個別相談のオファーをする。ここまでは、みなさんやっています。

ところが、入り口のオプトインページでメールアドレスしか取っていないと、こう思うわけです。「ついでにLINEも取っておきたいな」と。

そこで、個別相談を案内しているのと同じ場所に、LINE登録の案内も並べる。しかも、LINEの中でプレゼントを受け取れる、という形にしてあります。よくありますよね。僕も、その気持ちはめちゃくちゃ分かります。リストは複数のチャネルで持っておきたいですから。

でも、これで個別相談の申込率は確実に落ちます。しかも、落ちていることに気づきにくい。LINEの登録数はむしろ増えるので、数字の上では何かがうまくいっているように見えてしまうからです。

なぜ本命はプレゼントに負けるのか

理由はシンプルです。見込み客から見たとき、プレゼントの方が引きが強いからです。

ここは、オファーの質の話ではありません。どんなに魅力的な個別相談を用意していても、構造として負けます。並んだ2つを見込み客の側から見ると、こう映るからです。

  • 個別相談は、日程を調整して、時間を取られるもの
  • プレゼントは、登録するだけで、もらえるもの

差し出すものと受け取るものが、そもそも非対称なんです。人はどちらを選ぶか。当然、軽い方です。そして、いったんLINE側へ進んだ人は、もう個別相談の案内には戻ってきません。プレゼントを受け取り、LINEの中で別の情報を読み始め、そこで完結してしまう。一度ちがう階段に進んだ人は、基本、帰ってこないんです。

これは見込み客が悪いわけでも、集中力が無いわけでもありません。二択を出されたら軽い方を選ぶのは、人として自然な反応です。だから、そもそも二択を出さない。それだけの話なんですよね。

Meta広告の運用代行をしていると、広告の数字だけを見て「クリック単価が高い」「配信面が悪い」と原因を探しにいく場面によく出会います。でも実際は、広告の外側にあるファネルの一段で、こういう構造の取りこぼしが起きていることが本当に多い。広告費を1割削るより、この一段を直す方が、成果への影響はずっと大きくなります。

今日できる直し方と、LINEを取る場所

直し方は拍子抜けするほど簡単です。本命ではない方のオファーを、そのページから外す。それだけです。消すのではなく、別の段へ移します。

では、LINEはどこで取ればいいのか。現実的な置き場所は2つあります。

1. 入り口のオプトインで、最初から一緒に取る

メールアドレスを登録してもらう時点で、LINEも同時に友だち追加してもらう形にします。ここはまだ何かを選ぶ場面ではないので、分岐が生まれません。後から取りに行くから、途中の段で無理が出るんです。

2. 個別相談に申し込んだ直後のサンクスページで案内する

本命の行動を終えてもらった後なら、次の行動を奪われる心配がありません。むしろ「当日までの連絡はLINEで送りますね」という自然な文脈で案内できるので、登録率も上がります。

そのうえで、ぜひ一度やってみてほしいことがあります。あなたのファネルを、入り口から成約まで通しで見直してみてください。見込み客になったつもりで、実際にオプトインして、届くメールを開いて、動画を見て、その次のページまで進んでみる。頭の中の設計図ではなく、実際に流れる順番で。

どこかの一段に、オファーが2つ乗っていないか。それだけを確認する作業です。作業時間は30分もかかりません。それで本命の申込率が動くなら、今週いちばん割のいい仕事になるはずです。

よくある質問

LINE登録は、どの段階で取ればいいですか?

個別相談への導線と同じ場所に置かないことが原則です。おすすめは、入り口のオプトイン時点でメールアドレスと同時に取得してしまうか、個別相談の申し込みが完了した直後のサンクスページで案内する方法です。前者なら見込み客が迷う分岐がそもそも生まれず、後者ならすでに目的の行動を終えた後なので、次の行動を奪われる心配がありません。

個別相談とセミナー、両方を案内したい場合はどうすればいいですか?

どちらか一方を、その段の唯一のオファーとして選んでください。両方を並べると、見込み客は選択の負荷を感じて、心理的に軽い方を選ぶか、どちらも選ばずに離脱します。どうしても両方に接点を持たせたい場合は、まずセミナーへ進んでもらい、セミナーの中で個別相談を案内するというように、段を分けて時間差で提示します。

すでに2つ並べてしまっています。どう直せばいいですか?

本命ではない方のオファーを、そのページから外すだけです。削除するのではなく、別の段へ移動させます。多くの場合、外して数日で本命の申込率が動きます。作業としては数分で終わるのに、成果への影響が大きい部類の改善なので、思い当たる方は今日のうちに一度、入り口から成約までを通しで見直してみてください。

Web Culture Service CEO 加藤理人

加藤理人(かとう みちひと)

Web Culture Service CEO/Meta公認代理店〈Meta Business Partners〉

2011年創業。ひとり起業家と小さな会社のための「AI自動化マーケティング設計」を提唱。AI導入支援・Webマーケティング支援・Meta広告運用代行の3事業を展開し、東海テレビ・Yahoo!ニュースで業界有識者として解説。奈良を拠点に全国オンライン対応。

あなたのファネル、一段ずつ点検しませんか

入り口から成約までの導線設計、広告運用、仕組みづくりまでまとめて相談できます。売り込みは一切しません。

無料相談の申し込みはこちら